山田風太郎妖異小説コレクション 妖説忠臣蔵 女人国伝奇

山田風太郎妖異小説コレクション 妖説忠臣蔵 女人国伝奇 (徳間文庫)

※満足度：☆☆☆★★
※妖説忠臣蔵（行燈浮世之介／赤穂飛脚／殺人蔵／変化城／蟲臣蔵／俺も四十七士／生きている上野介）／女人国（ありんすこく）伝奇（傾城将棋／剣鬼と遊女／ゆびきり地獄／蕭蕭（しょうしょう）くるわ噺／怪異投込寺／夜ざくら大名）／解説・日下三蔵
※「行燈浮世之介」には代議士、売春処罰法案、女子大生といった現代語がなぜか登場。
※「女人国伝奇」は松葉屋の薫（傾城、くるわ、投込寺）、大口屋の小稲（剣鬼）、赤蔦屋の小式部（ゆびきり）、羅生門河岸（鉄砲見世）の山弥（くるわ）、松葉屋の野分（投込寺）、松葉屋のさくら（投込寺、大名）など、さまざまな女性が登場する。なかでも松葉屋の薫。彼女の気の強さにはたじろぐばかりである。「ゆびきり」には勝海舟の父が登場する。これが強い。「夜ざくら大名」の殿様もその振る舞いが強烈。
※（全般）すべて初読。史実を手がかりに「ありえた物語」をえがく手法は見事。