笑う肉仮面 少年篇―山田風太郎ミステリー傑作選(9)

※満足度:評価不能(ただし資料的価値は高い)
※水葬館の魔術/姿なき鑞人/秘宝の墓場/魔船の冒険/なぞの占い師/摩天楼の少年探偵/魔の短剣/魔人平家ガニ/青雲寮の秘密/黄金明王のひみつ/冬眠人間―(中学時代二年生版)/暗黒迷宮党/なぞの黒かげ/冬眠人間―(少年クラブ版)/笑う肉仮面
※漢字が少なく、かえって読みにくい。本巻を楽しむには年を取りすぎた。「笑う肉仮面」がベスト。楳図かずおの「笑い仮面」を連想させる。
※「青雲寮の秘密」は「天国荘奇譚」の少年向けリライト。ただし舞台は旧制中学から、新学制へと変わっている。この作品は第2話が省略されているので、第10巻の補遺篇に収録されている「第2話」を併せて読むのがおすすめ。編者の日下三蔵は第10巻で「第二回がなくても違和感なくストーリーがつながってしまったこともあり」と、欠落の弁明をしている。しかしちょっと気をつけて読んでいれば、標的が舎監の4人であることはすぐわかる。編者は中身を読んでいるのか、と疑わせるエピソード。なお寮則の「青雲だましい」は37ヶ条あるらしい。