小林克也 Music Machine Go! Go!

ジョニー・ミッチェル/サークル・ゲーム小林克也訳)
 
ほんのちょっと前、一人の子どもが好奇心に目覚めました
トンボを捕まえ瓶の中に入れ、雷が鳴って怖がり、流れ星を見て涙を浮かべました
そして、四季はどんどん巡っていきます
色で塗られた仔馬が上がったり、下がったり
そう、人は時の回転木馬の永遠の囚われ人です
誰も逃げられない 戻ることもできないんです
後ろを振り返ることはできます。
みんな、ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる回り続ける回転ゲームの中にいます
 
やがて、その子どもは四季を十回、回りました
凍った川も十回滑って渡りました
「大人になったらね」の言葉に安心して
「いつかはきっと」という夢は大きく膨らみました
 
十六の春と十六の夏が過ぎ、荷車に乗っていた少年は自動車で町を駆け抜けます。
周りから言われます
お前、急ぐんじゃないよ
年取りゃ、みんな足を引きずって歩くようになるんだから
時間がゆっくり回るようにね
 
時が回り続け、その子も二十歳
夢は昔ほど輝いていません
なかなか実現しません
その代わりに違う夢が生まれます
そして、もっとすごい夢が次々に生まれてます
でも、やがて最後の一回りを迎えるんです
そして、四季はどんどん巡っていきます
色で塗られた仔馬が上がったり下がったり
人は時の回転木馬の永遠の囚われ人
誰も逃げられない
戻ることもできない
後ろを振り返ることはできます
みんな、ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる回り続ける回転ゲームの中
ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる回り続ける回転ゲーム