そうだったのか手塚治虫―天才が見抜いていた日本人の本質

満足度:とりあえず入手 「マンガに感動するのは、そこにドラマがあるからだ」
 アトムを例にとれば、人型ロボットとの暮らしなど日常では非現実だ。しかしその姿を描くことで、読者はありえない世界を体験する。ロボットの苦悩に共感する。ロボットの苦悩に己をかさね、人間の理不尽さに憤る。
 子どもは敏感なぶん、マンガに無条件で入ることができる。大人になると現実にしばられるぶん、その力がよわい。マンガを子どもの読み物と斬って捨てるのは、みずからの感受性の喪失を暴露しているともいえる。

105円