幻妖桐の葉おとし―山田風太郎奇想コレクション(2)

※満足度:☆☆☆☆★(太字は未読)
幻妖桐の葉おとし/数珠かけ伝法/行燈浮世之介/変化城/乞食八万騎/首/(解題・日下三蔵、解説・菊地秀行「噦超人器とは誰か?」)
※現行(当時)の文庫本では読めない時代短編小説を収録。とくに「桐の葉」「八万騎」は徳間文庫の「山田風太郎妖異小説コレクション」が第一期で頓挫してしまったので貴重。「浮世之介」「変化城」は『妖説忠臣蔵』の作品なので、べつの選択肢もあった。あと、本作の装画は内容となんらかかわりがない。奇想コレクションは全編をとおして装画がダメ。読書欲をかき立てない。
※「桐華(=豊家)散ラントシテ桐葉(=忠臣)コレ護守ル、・・・」(幻妖桐の葉おとし, p13)。その葉をおとすのは誰か。「黒百合抄」のあの人が暗躍する。「『忍法』桐の葉おとし」としてもよかったか。