オペラ座の怪人

満足度:☆☆★★★ 「エリックに同情の余地はない」
原作のオペラ座の怪人(エリック)は殺人者であり、ヒロイン(クリスチーヌ・ダーエ)を拉致した独善的な人間である(1910年作品, 359, 374, 381, 458)。
 
「ペルシアで彼はまさにわがもの顔に振舞ったのだった。かくして彼はかなり多くの悪事を犯したのだ。というのも彼は善悪の見さかいなく、さまざまな悪魔的発明を使って、当時ペルシア帝国と戦争をしていたアフガニスタンの首長と闘ったかと思えば、またいとも涼しい顔で大掛かりな政治的暗殺に協力したりしていた」(459)
 
ミュージカル作品(1986)とは根本的なところで設定が異なっており、観劇ではこの操作を自覚したほうがよい。