神坂四郎の犯罪

神坂四郎の犯罪 (新潮文庫)

神坂四郎の犯罪 (新潮文庫)

※神坂四郎の犯罪(1948)/風雪(1947)/自由詩人(1956)
満足度:☆☆★★★ 「戦後臭があまりしない」
「神坂四郎」は6編の手記からなる。それぞれの立場から事件が語られることで、焦点が絞られるどころか曖昧になってゆく。発想はよいが、実際の作品はふつう。「風雪」は傷痍軍人の話。「自由詩人」の主人公、山名の野垂れ死にっぷりがよい。