棺の中の悦楽 悽愴篇―山田風太郎ミステリー傑作選(4)

棺の中の悦楽 悽愴篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈4〉 (光文社文庫)

棺の中の悦楽 悽愴篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈4〉 (光文社文庫)

※満足度:☆☆☆★★(星3つ)
女死刑囚/30人の3時間/かぐや姫赤い蝋人形/わが愛しの妻よ/誰も私を愛さない/祭壇/二人/棺の中の悦楽
※本作は「新かぐや姫」につきる。ただし、女性への描写が偏っているのが、気になる。「棺の中の悦楽」という題名はわかりにくい。川出正樹というミステリー評論家が風太郎を「ノワール作家」という観点から論じているが、余計である。この人はノワールという言い回しを使いたかっただけなのだ。レトリックをもてあそぶ評論はその名に値しない。
※1/17追記:表題の「新かぐや姫」では話の内容を思い起こせない。夫婦が子をえる話ではあるが、話の焦点が誕生以前なので連想しにくい。「処女懐胎」でもよかったのでは。