銀河忍法帖

銀河忍法帖 (角川文庫)

銀河忍法帖 (角川文庫)

銀河忍法帖 (1977年) (角川文庫)

銀河忍法帖 (1977年) (角川文庫)

満足度:★★★☆☆ 「天の川(=大久保長安)を斬る」

 本書の特徴が何かというと、くノ一の朱鷺、風来坊の六文銭、伊賀五人衆、長安の妖花親衛隊といったぐあいに登場人物が複雑なことだ。朱鷺は大阪方のくノ一で、長安に殺された恋人のかたきをうつため、長安の命を佐渡でつけねらう。六文銭の鉄は彼女の体を目当てに、多勢に無勢の彼女に助けを申し出る。一方、伊賀五人衆は服部半蔵の命を受けて、長安の身辺の警護に当たる。長安の妖花親衛隊は長安の愛妾で、長安が考案した武器で武装する。
 本書で感心したのは、六文銭は何者かという謎で、筆者が物語を引っ張っていることだ。結末では意外な真相が明らかになる。
 なお旧題『天の川を斬る」を本文庫から『銀河忍法帖」と改題するとの、作者の但し書きが巻末にある。

210円(2010/4/23読了)