影の殺意

影の殺意 (角川文庫 緑)

影の殺意 (角川文庫 緑)

影の殺意 (1981年) (角川文庫)

影の殺意 (1981年) (角川文庫)

満足度:☆☆☆★★ 「結城昌治はなぜもの足りないのか」
 それは読み手を引きつける魅力を欠いているからだ。本書でわかるのは、どんな分野で書いても、そつなくこなせることだ。それが逆にあだになっている。野球でいうところの、ユーティリティプレイヤーといった印象だ。器用貧乏な作家なのだろう。

〈目次〉
最後の分別(なぜ理容店の店主は殺されたのか)
ある恋の形見(公平に近づいた女の真意は何か)
あとは野となれ(安子は自分の犯罪を隠し通せるか)
気ちがい(心神喪失になりすまして、罪を逃れることはできるか)
影の殺意(思い当たる節などないのに、自分はなぜ命をねらわれるのか)
あるスパイ(サイゴンで消息を絶った恋人に何がおきたのか)