スペクトルマンVSライオン丸
>
スペクトルマンvsライオン丸―うしおそうじとピープロの時代 (オタク学叢書)
- 作者: 鷺巣富雄
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 1999/06
- メディア: 単行本
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
満足度:☆☆☆☆★ 「風雲うしおそうじ録」
本書は、うしおそうじ本人がおいたちと仕事について語った本だ。うしおそうじ氏の魅力がつまっている。口述取材とはいえ、すばらしい本だ。
まえがき こんどの本では敢えて下半身までも脱ぎすてて裸程を晒し・・・
第一章 戦争と円谷英二 複葉の練習機。これは布製なんですよ。・・・。びっくりして機体をつかむでしょ、するとメリメリって破けちゃうんだから。
第二章 牛尾走児とうしおそうじ 「ところであんた、名前は?」「サギスです」「え、サギシ?」「詐欺師じゃなくて鷺巣です」。
第三章 イニシャルはP Pが頭につく言葉は僕らの仕事に非常に多いんですよ。
第四章 特撮任侠伝 アニメのプロダクションなんて倒産しないのがおかしいくらいなんだから。・・・。だいたい人件費が八割近くかかるなんているのは事業になりえない世界ですよ。
第五章 ネヴュラの星へ フジの人がね、番組でテロップを流したの。「ゴキブリを送ってください」って。・・・。そうしたら、今度は集まり過ぎちゃってね・・・。(エンディング・テーマの「憎い怪獣、ぶっ殺せ」というフレーズについて)スタッフにね、そういうのが好きな人がいたんだよ(笑)。
第六章 風よ! 光よ! 火事場のシーンがあったでしょ。あれはね、生田の辺りにあった古い農家なんです。・・・持ち主に交渉したら、「どうせ壊す予定だから好きなように使っていい」って言うんだよ。それで火をつけたわけ。・・・、(消防署からのクレームについては)当時はそんなにやかましくなかった。いい時代だったんだね(笑)
第七章 赤いシグナル非常のサイン まあ、女優さんでもね、熱心なファンがいるんですよ。・・・写真を焼いて送って下さいってわざわざ九州から電話がかかってくるんだから。送ってやらないといつまでもいつまでも催促の電話が(笑)。
第八章 パリ・北京・東京 考えてみたら人生、人のために働いたことの方が多いね。先行投資のリスクを自分から背負っちゃう。本当ならピープロはビル建ってたはずだ(笑)。・・・井の頭線の高井戸駅前に・・・無料の豪華浴場があって、そこへ行ってみた。・・・。ジジイ同士でケンカが・・・原因は何かって聞き耳立てていたら「この石鹸は俺のだ」、実にチンケなケンカ。それも風呂場に備え付けの石鹸だよ。年寄りっていうのは自分で買った物はタオルだってもってこようとしないんだから。もうそれ見てね、年寄りっていやだなあと思いましたよ。まあ、自分も年寄りだけどさ(笑)。・・・。やはりねえ、僕は活動屋なんですよ。僕がね最初から漫画家だったら、ずっとそっちの道でやってたよ、きっと。でもね、幸か不幸か映画の方に先に入っちゃった。映画の面白さ、楽しさ、素晴らしさを先に知ってしまったんだ。