アジアと欧米世界 (世界の歴史25)

アジアと欧米世界 (世界の歴史25)

アジアと欧米世界 (世界の歴史25)

満足度:★★★★☆ 「加藤裕三氏の文章(とくに7章と8章)が貴重」 
 アジアの歴史と欧米の歴史をつなぐという点で、シリーズの要。問題はその課題を達成できるか。
 加藤先生が担当した内容が圧倒的に深く、しかもわかりやすい。両者の両立はなかなか達成できるものではない。とくに日米和親条約、通商条約の評価で、国家間の条約を敗戦条約、交渉条約に整理した上で、幕府外交の勝利を論じた部分がすばらしい。

 一方、第一章で地球の歩みから説き起こすのは不要だろう(気持ちはわかるが)。
 川北氏の担当部分は、焼き直しがおおく、刺激には乏しかった。川北氏は近代世界システムの信奉者だが、そこに氏の限界を感じた。

105円(2011/3/9開始。2011/3/13読了。)