日本版 ホームズ贋作展覧会〈下〉

日本版 ホームズ贋作展覧会〈下〉 (河出文庫)

日本版 ホームズ贋作展覧会〈下〉 (河出文庫)

満足度:☆☆☆★★ 「ホームズの名前が免罪符になっている」
 ホームズ物のわりに内容が今ひとつの作品がおおい。ホームズを下敷きにした作品のほうが出来がよい。逆にホームズを主人公にした作品は悲惨なことになっている。

【目次】
加納一朗「ダンシング・ロブスターの謎」(「海老が踊って私を」と言い残して死んだ、入院患者の死因は何か, 単行本未収録)
柴田錬三郎「名探偵誕生」(未読)
阿刀田高葉桜の迷路」(なぜ警察に奇妙な投書が舞い込むのか。連作『Aサイズ殺人事件』の一編)
星新一シャーロック・ホームズの内幕」(赤毛連盟がホームズの自作自演だったとしたら)
鮎川哲也赤毛連盟」(大学の学生課を通した奇妙なアルバイトの真相は何か)
小栗虫太郎「赤馬旅館」(富豪のカーミハエル家の秘書におさまったアンを脅迫する、謎の声の正体は何か、探偵ラジオドラマ)
中川裕朗「ガリバービル家の馬」(ガリバー旅行記の主人公がホームズを訪ねるとどうなるか, パロディ小説)
山村正夫狂った蒸発」(ホームズ似の相貌に生まれ変わった私が巻き込まれた、殺人事件の真相は何か、『逃げ出した死体』『逆立ちした死体』『太りすぎた死体』)

解説・新保博久
荒井清司「パロディ翻訳史さんぽ」

105円