ホームズ贋作展覧会（上）

日本版 ホームズ贋作展覧会〈上〉 (河出文庫)

満足度：★★☆☆☆　「企画倒れの失笑アンソロジー」
　企画倒れの作品集だ。ホームズの名前があれば、収録の対象となるという節操のなさ。これにはあきれた。作品が企画に追いついていない。そうならもっと別のやり方があったろうに。それとも選者の目が曇っているのか。

【目次】
山田風太郎「黄色い下宿人」（既読）
渡辺温「兵隊の死」（収録した意図がわからない。）
赤川次郎「絶筆」（ホームズのパロディ）
横田順彌「まだらのひもの」（時は残酷だ。いま読むと、ひとつも笑えない。時代のあだ花に合掌。）
木々高太郎「死の乳母」（エヴェリィ伯爵の子どもはなぜ六歳になると死ぬのか）
清水義範「シャーロック・ホームズの口寄せ」
深町眞理子「シャーシー・トゥームズの悪夢」（どうやったら国家機密の書類をとりもどせるか）
都筑道夫「えげれす伊呂波」（これも収録するのだったら、何でもありになってしまう）
徳川夢声「オベタイ・ブルブル事件」（日本英学会の権威はなぜ殺されたのか）
海渡英祐「戦艦『三笠』設計図」（軍艦の設計図をだれが盗んだのか）

解説・新保博久「まだらの蛇足」

105円