細い赤い糸
- 作者: 飛鳥高
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1995/05
- メディア: 文庫
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満足度:★★★★☆ 「わかりやすさが上手さを生んでいる」
連作長編。物語は被害者の視点で進行していく。殺人がおこると場面が切り替わり、つぎの被害者の視点で進んでいく。その分だけ、事件の全体像が読者に伝わっていく。とてもよくできた構成で、感心した。
最初の事件だけがわかりにくかったが、読み直すとヒントを潜ませていることがわかる。
一方、結末はもう一工夫できたのではないかと感じた。
久野刑事の「人が多すぎるんだ。お互いに重なり合って生きてる。どんなことが起こるか分かりゃしない」という言葉に、筆者のやり切れなさが伺える(261頁)。