積木の壁

積木の壁―長編推理小説 (1981年) (Joy novels)

積木の壁―長編推理小説 (1981年) (Joy novels)

満足度:★★★☆☆ 「通俗サスペンスのお手本」
 
 期待をよい意味で裏切られた。不覚にも最後まで読みきってしまった。物語の中心は、商社の合併劇の裏でかわされた金銭をめぐる物語だ。しかし事件の核心については最後まであいまいなままだった。しかしそのような設定で読者を最後まで引き込んだのは、作者の筆力によるものだ。この点はおおいに評価したい。
 また本書で登場する女性がいずれも魅力だった。筆者の意外な才能に感心した。
 
〈あらすじ〉
 吸収合併された商事会社を辞めて、一匹狼の経営コンサルタントをしている岩岡は、恋人の紀子から、妙な相談を受けた。深夜、部屋に悪戯電話がかかってきたり、いつも誰かに見張られているような気がするという。岩岡は調査を約束した。
 その紀子が、何者かに殺害された。
 そしてベッドの上に、一枚のトランプのカードが置かれていた。スペードのクィーン。あるいはそれは、犯人を示す。紀子のダイイング・メッセージなのかもしれない。
 岩岡は、カードを手にしつつ、犯人追求の決意を固めた・・・・・・。
 乱歩賞作家が、現代の巨大な罠に挑戦する、本格長編推理小説

105円(開始2011/7/23-同日読了)