津山三十人殺し
- 作者: 筑波昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 文庫
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満足度:☆☆★★★ 「実録体小説風の文が本書の価値を減じている」筆者は「第二部 犯人」で、犯人の視点で事件を再構成している。モンタージュ(資料の切り張り)の有効性は議論の余地があるとして、問題なのはその記述の仕方だ。いわゆる実録体小説の体裁なのだ。津山三十人殺し犯人の行動を、あたかも自分がその場にいたかのごとき筆致で描いている。それにくわえ、事実に空想をまじえて潤色している。そのため、小説まがいの奇妙な読み物になっている。記録としても中途半端、犯罪小説としてももの足りない。史実として事件を知ろうとする人は他の文献をあたった方がよい。