西城秀樹のおかげです

西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)

西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)

満足度:☆☆☆☆★ 「意外と楽しめた」
大正期の女子学生の投稿のような文体で書かれている。この文体のきまじめさに、エログロナンセンスをくっつけて、独自の世界をつくっている。

性と笑いが結びついた、面白い作品がいくつかある。両者の相性はこんなによかったのかと再認識させられた。でも図書館ではヤングアダルトの棚に置かないほうがよいだろう。
 
1.西城秀樹のおかげです
タイトル負け。それにしても主人公の妄想に圧倒される。
 
2.哀愁の女主人、情熱の女奴隷
馬鹿馬鹿しいのがよい。性が話題なのになぜか吹き出してしまう。
 
3.天国発ゴミ箱行き
森奈津子本人が登場。自分を笑えるのは立派。
 
4.悶絶! バナナワニ園
凡作。出だしがよかっただけに、残念。性描写に力が入ってしまったのか。
 
5.地球娘による地球外クッキング
これはよかった。アンチSF小説にもなっている。
 
6.タタミ・マットとゲイシャ・ガール
企画倒れ。コンピュータ・ゲームのノベライズ。
 
7.テーブル物語
凡作。前半と後半の落差がおおきい。どっちかにすればよかった。
 
8.エロチカ79
生徒会長とスケ番の話。おなじパターンを三度くり返すところが素晴らしい。
 
※題名を打ち込んだだけなのに、トラックバックがふってきた。森奈津子、恐るべしだ。