- 作者: 島田荘司,石崎健太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/10/25
- メディア: 文庫
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満足度:☆☆☆★★ 「ハリウッドB級ホラーの域を出ない」※2003年10月25日初版発行。角川書店から出た単行本(二〇〇一年八月)の文庫化。
松崎レオナが親友だった女優の惨殺事件の犯人を追うという内容。とにかく長いわりに、単純な話だった。読みはじめた瞬間に犯人がわかった人がいてもおかしくない。むしろなぜ800ページ強の長さになったのかを分析する必要がある。
物語の舞台が西海岸ということで、筆者の米国暮らしが色濃く出ている。『季刊島田荘司』での記述と重なる部分がいくつかある。あわせて読むとよい。
本書は猟奇的な色彩に彩られている。殺人、人体実験などグロテスクな場面の描写がおおい。もっとも、初老の筆者(2001年当時、53歳)が性描写に呻吟する様を思い浮かべたときが、一番おぞましかったと付言しておく。
題名の「ハリウッド・サーティフィケイト」がなにを指すのかいまひとつ判然としなかった。ドラッグなのか、それともピストルなのか(おそらく後者)。130ページに登場している。本筋とは関係ないことだけはわかった。
何度もいうが、デーブ・スペクターがいっているように、日本語で書いていて、英語の単語だけアメリカ人みたいに書くのは嫌みだ。そうでなくても、表記が長くなり、読みにくいだけだった。カタカナで表記すれば外国の雰囲気がでる、という発想はいただけない。