男性滅亡―山田風太郎奇想コレクション(5)

男性滅亡 (ハルキ文庫―山田風太郎奇想コレクション)

男性滅亡 (ハルキ文庫―山田風太郎奇想コレクション)

※満足度:☆☆☆☆★(太字色つきが当時の単行本未収録作品)
※男性滅亡/男性週期律/1999年/自立神経失調同盟/誰も私を愛さない/(解題・日下三蔵、解説・清水義範「とてつもない奇想」)
※「未収録」にこだわりすぎて、本末転倒の感じ。作品集としての統一感がないのだ。私なら素広平太博士が登場する作品で一冊編む。清水の解説には幻滅。「奇想」と書けばそれでよいのか。
本書には、単行本未収録作品を含むナンセンスSFの傑作四篇に加え、トリッキーなサスペンスミステリの中篇「誰も私を愛さないを収録した。いずれも、現在手軽に読むことの出来ない作品ばかり、特に「男性週期律」以外の四作は、文庫化されること自体、今回が初めてなので、山田風太郎ファンには、喜んでいただけることと思う。(317ページ)
※これまた光文社の山田風太郎ミステリー傑作選「男性周期律」「棺の中の悦楽」の刊行により、意義を喪失。わずか4年後のことである。このようにハルキ文庫「山田風太郎奇想コレクション」を活かす形で編纂がおこなわれていない。今回あらためてそう感じた。