伝馬町から今晩は―山田風太郎コレクション 幕末編

※からすがね検校(幕末妖人伝・第一話「男谷検校」)芍薬屋夫人/獣人の獄/ヤマトフの逃亡(幕末妖人伝・第二話「日本人ヤマトフ」)/伝馬町から今晩は/解説・縄田一男(太字は未読)
※コレクション編集/縄田一男・細谷正充。「風太郎通史」の、幕末維新から明治にいたる流れをまとめた作品集。けっきょくのところ「幕末妖人伝」の拡充にすぎない。いただけないのは「妖人伝」の末尾の一文を断りなく削っていることだ。
筆者の作品は南北朝、室町、戦国、江戸、幕末、明治、現代史(敗戦直後の風俗に取材したミステリー)におよぶ。それを年代順に並べると風太郎が描く近世・近代史が成立する。編者はこれを「風太郎通史」とよんでいる。