八犬伝(下)―山田風太郎傑作大全(21)

※満足度:☆☆☆☆★
八犬伝の紹介は八犬士がそろうまで。終章「虚実冥合・四谷信濃坂」での馬琴とお路の合作描写は壮絶。無心に口述する馬琴、舅の言葉を必死に書きとめるお路。筆者は二人の姿に困窮のなかの法悦を見いだす。あいかわらず細谷正充の解説は興ざめ。それにしても、9才の童犬士・犬江親兵衛(いぬえ・しんべい)の登場には度肝をぬかれたでござソーロー。